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ま、テキトーにな。

2010年3月20日(土)の出来事







2010年3月20日 土曜日 20:35


私は浅草に向かって上野五丁目12番地の裏路地を歩いていました。






すると「ウオーッ!ウオーッ!」と叫び声が聞こえたので、酔っぱらいが叫んでいるな、とその程度にしか考えませんでした。





まぁ、卒業シーズンですからね。
多少のハメは外しても・・・・・
そんな軽い気持ちで。





すると右手の路地から男が1人全力で走ってきて私の進行方向へと曲がって行き、その後を野球帽を被った男が追い掛けて行きました。






酔っぱらった学生がふざけて鬼ごっこか、とその程度に考えていると同じく右手の路地からグレーのジャケットを着た白髪頭の初老の男性が
「泥棒!泥棒!」
と叫びながら前を走っていく男達を指差し走ってきました。







先ほどから聞こえていた叫び声はこの初老の男性の「泥棒!」という叫び声だったのです。







丁度その時、先を走っていった男が左手の細い路地に入っていくのが見えたので私も同時に手前の路地を左手に全力で走り始めました。








進行方向にはJRの高架線があり男が入っていった路地だと突き当たるので上手く行けば先回り出来ると思ったのですが、頭の中は妙に冷静で、
「左膝にサポーターも付けずに走って転んだらまた病院送りだろうなぁ」
と別のことを考えてました。













JRの高架線の所まで来て右手に曲がるとまだ男は細い路地から出てきてはいなかったので、私は細い路地に向かって走っていき、細い路地の入口で一旦止まってから様子を窺いながらその中へと入っていきました。




細い路地に入っていくと薄暗くて街灯で明るい場所を走ってきた私の眼が暗がりに馴れるのに暫くかかりましたが、右手にメタリックブルーのプジョー307が停まっており、その奥にリラクゼーションマッサージの電光看板がありました。

















その車と看板の間に転がっている黒い塊。














ハァハァと聞こえる荒い息使い。
















先ほど前を走っていった男の上に野球帽の男が袈裟固めのような感じで乗っかっていました。
しかし、押さえつけられている男の両手はまだ自由が利く状態で危険だったので
「危険なものを持っている場合があるので気を付けてください。」
と野球帽の男の人に声を掛けながら近付き、彼の死角にある押さえられている男の右腕を押さえる為に私は抑えられている男の右肩の付け根に右膝を押し付け、脛部で腕を押さえつけました。






「大丈夫ですか?」
と野球帽の男の人に声を掛けると、
「ハァハァ・・・・だ、だいじょ・・・・大丈夫です・・・ハァハァ」
とまだ息が上がった状態でした。





ほぼ同時に先ほど「泥棒!」と叫んでいた初老の男の人もやってきて、こちらは野球帽の男の人以上に息を切らして今にも倒れそうなぐらい大きく喘いでいました。








この初老の老人が被害者なのは確かなので
「大丈夫ですか?110番通報できますか?」
と聞くと
「ハァハァハァハァ」
と懸命に呼吸をするのが精一杯のようだったので
「私が通報しましょうか?」
と改めて聞くと
「ハァハァハァハァ・・・・お、お願い・・・ハァハァハァ・・・・しま・・す・・ハァハァハァハァ」
と息も絶え絶え。








私は携帯を取り出して”110”を始めてかけました。






一回の呼び出し音が終る間もなく
「110番です。どうしましたか?」
と優しそうな男性の声が聞こえ、妙な安心感を与えてくれました。
私が泥棒を確保していることを伝え、現在地の住所、現場付近の建物等を伝えていると、早くも一人目の警察官が騒ぎを聞きつけて自転車で現れました。
そしてあっという間に自転車警ら中の警察官が5名現れ、続いてパトカーが2台到着し、総勢9名の警察官が狭い路地に詰め掛けました。






私は通報先の方に警察官が来たことを伝えると
「では現場の詳細を警察官にお知らせください。」
と言われたので承諾し、携帯電話を切りました。






その後、現場に駆けつけた警察官に私が遭遇した状況を説明し、名前、住所、携帯番号、生年月日と聞かれたことに応え帰宅しようとすると
「あ、ちょっと上野警察署までご同行お願いできますか?」
とメガネをかけた、いかにも真面目そうな警察官に言われました。







私は
「いや、犯人を捕まえたのは野球帽の人だし、私は通報しただけで特別なにもしていませんよ。」
と言うと、
「いえ、犯人確保をした方だけでなく目撃者と通報者の調書も書かないと犯人を起訴することが出来ないんです。」
と困り顔。













また調書か・・・・・














仕方なく犯人確保者の野球帽の男性と一緒にパトカーの後部座席に納まり上の警察署へ。








途中、野球帽の男性と会話し、札幌在住の方で出張で東京に来ており、仕事を終えて宿泊先のホテルに戻るところでひったくり現場に遭遇したと事件に遭遇したきっかけを聞きました。



面白いことに仕事はラーメン屋さんで札幌郊外にある”M”という店の店員をしているとのこと。




ラーメン店の店員とラーメン好きの私。





短い道中ラーメン談議で盛り上がりました♪







警察署に到着すると二階にある刑事課へ案内され、犯人、被害者、確保者、目撃者とそれぞれ別々の取調室へと案内されました。












警察署の調書では目撃者(今回は通報者も兼務)の私の場合、まず始めに

・名前
・住所
・生年月日
・電話番号
・勤務先
・勤務先住所
・勤務先電話番号

を聞かれます。







次に目撃者(今回は通報者も兼務)の私が遭遇した現場と私が取った行動を説明します。


そこから細かい事に質問が変わり、
・目撃者が最初に事件に遭遇した場所
・その状況をどう感じたか
・そしてどう考え、行動したか
・犯人の特徴は?
・追跡者の特徴は?
・被害者の特徴は?
と聞かれます。



特に人の特徴では
・身長はどれくらいに感じたか
・服装は?
・年齢は?
と聞かれます。


そして最後に確保された男性が間違いなく犯人か確認をさせられ、
「間違いありません」
と証言しなければならないのです。
















実はこの時が事件に遭遇して一番言葉を失う瞬間でした。














刑事ドラマみたいに犯人のいる取調室の隣からマジックミラー越しに犯人の顔を確認するのですが、現場での暗がりの中では髪型や服装から始め学生くらいにしか思っていなかったのに、取調室にいる犯人は恐らく私と同じくらいか若く見えました。












ただ、やや頬がこけうっすらとした無精ひげに顔色は悪くうな垂れた様子は彼の追い詰められた感じがヒシヒシとマジックミラー越しに伝わってきました。














調書は最後にプリントされ、再度間違いがないか確認させられて間違いがなければ日付と著名をし、拇印を押して完成します。












でもね、









この調書を作るのが直接目の前で証言を聞きながらラップトップに打ち込んでいくので時間がかかるんです。







今回はだいたい1時間半くらいだったと思います。




その合間合間に雑談も入ったり、確認事項を取ったりするので時間がかかるんです。





オマケに事件はこの一件だけではないので私の調書の番になるまで待ち時間1時間。




調書を作成した後に、被害者、確保者との調書との照合確認もあるのでさらに待ち時間1時間。






もうね、警察署のお茶(正直言って×)を何杯飲まされたことか・・・・・・














ただ、今回始めて知ったのですが目撃者などの参考人・協力者の方に実は




日当





が出るんですよ。






しかも今回は日付を跨いだので二日分






違った意味でビックリ!











ま、調書作成に協力して上野警察署を出たのが夜中の1時ですからタクシー代くらい出るだろうと思っていたのでそのあたりを考慮しての日当なんでしょうけども。


















誰も怪我する事無く無事に事件は解決したのですが、私にとってちょっと複雑な思いも残る1件でもありました。















最後に、心配してくれた皆さん。














大丈夫です。
今回は悪いことしてません。


怪我もしてません。






ご心配掛けてスミマセンでしたm(__)m
by thirty-satan | 2010-03-22 01:27 | その時、私は・・・・
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なんとなくやってみようかなと・・・・・・

by thirty-satan
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