2008年5月4日の出来事 ~職務質問~
ども、JINNです。
2008年5月4日 2100時過ぎ。 私はヲタクの聖地"アキハバラ"にいました。 5月3日~4日とパルサーGTI-Rオーナーズクラブ全国ミーティングの帰りで、日に焼けた腕や首が痛かったのでシーフリーズのような日焼けの火照りや痛みを和らげてくれるものを買おうと何店かのコンビニに途中寄ったのですが売ってなく、結局アキハバラのドンキホーテに辿り着いたのです。 ドンキホーテの前に車を停め、店内で目的のものを購入、すぐに車に戻り早速腕や首に塗っていると、パトカーが私の車の横に停まり警察官が降りて近づいて来たのです。 警察官A:「こんばんは。ちょっといいですか?」 少し年配で目の細い色白の人当たりの良さそうなその警察官は話しかけてきた。 私:「はい、なんです?」 警察官A:「職務質問なんですけど、いいですか?」 私:「ああ、構いませんよ。」 私は車から降りて、なにも気にせずに職務質問に応じた。 警察官A:「車の中を確認させてもらってもいいかな?」 私:「えぇ、別に構いませんよ。荷物が多くてゴチャゴチャしてるけど、それでもよければ。」 警察官A:「大丈夫ですよ、特に高額のものが無ければ。」 私はちょっと考えるふりをして、 私:「あ~、友人が作ってくれたこの車のチョロQが値段を付けられないくらいかな?」 と言うと、 警察官A:「なるほど。ではそのチョロQには触れないようにしましょう。」 と笑いながら応えた。 そしてその会話を聞いていたもう一人の警察官Bが私の車の中のガサ入れを始めた。 警察官Bはあきらかにメタボな体系で、着用している防刀ベストがさらに体系を丸く感じさせていた。 私は警察官Aと私の車の後ろに行き、トランクの中を確認して貰った。 警察官A:「どこかの帰りですか?」 警察官Aはガサ入れをしている警察官Bの方を一瞥した後話しかけてきた。 私:「えぇ、この車のオーナーズクラブの集まりで八ヶ岳まで行って来たんです。」 警察官A:「八ヶ岳?長野県の?」 私:「えぇ。まぁ私が行ったのは山梨県側ですけど。」 警察官A:「バーベキューか何かをしに?」 私:「まあそんな感じですね。年に一回全国からこの車のオーナーが集まるんですよ。」 警察官A:「なるほどね。」 そう言って警察官Aはまた警察官Bの方を一瞥した。 私も警察官Bのに視線を向けると、狭い車の中で太っている警察官Bが体を捻りながらリヤシートに置いてある着替えの入ったリュックの中身を調べているところだった。 私:「ずいぶんと厳重にチェックするんですね。」 と私が言うと、 警察官A:「過剰だと思う?」 と聞き返してきた。 私:「そうですね、飛行機の手荷物検査並みだね。6日から国賓が来日予定だから?」 警察官A:「いえ、この辺はいつもこんな感じですよ。」 私:「そうなんですか?」 警察官A:「最近アキハバラ周辺は物騒なんですよ。恐喝とか暴行事件が多発しているんです。」 私:「へぇ~。じゃあ自分は怪しく見えたから職質されたのかな?」 と私がいうと 警察官A:「そういう訳ではないんですよ。」 と苦笑いしながら応えました。 私:「ま、治安が悪化しているなら防犯対策を強化するに越したことはないですからね。」 警察官A:「理解してもらえれば助かります。 ところで、JINNさんは警察にお世話になったことはありますか?」 私:「えぇ、一昨年の年末から去年の3月まで飯田橋にあった警察病院にはお世話になりました。 警察官Aは笑いながら 警察官A:「いやいや、警察病院とかではなくて、交通違反とかではなく例えば窃盗とか暴行容疑とかで捕まったとか・・・・」 私:「あ、そっちはまだ未体験ですね。」 警察官A:「分かりました。」 警察官Aとは終始和やかな会話だった。 そこに車の中をガサ入れしていた警察官Bが額に汗を浮かべながら近づいてきた。 警察官B:「ちょっとよろしいでしょうか?」 私:「何か変なものでもありました?」 と笑いながら言うと 警察官B:「ナイフのケースのようなものがあるのですが、中身はどこにあるのですか?」 と聞いてきた。 ナイフのケース!? そんなものは必要無いし、積んだ覚えも無かった。 私:「ナイフのケース?そんなものは無いはずですが。」 すると警察官Bは運転席側のドアポケットに入っていた黒いナイロン製のケースを取り出した。 私は可笑しくなって、 私:「その同じドアポケットの中にライトがあるでしょ?そのケースですよ。」 と言うと、警察官Bはドアポケットの中を再び確認し、中からシルバーのLEDライトを取り出し、そして黒いナイロン製のケースに入れると納得するように頷いた。 警察官BはLEDライトを入れたナイロンケースをドアポケットに納めると 警察官B:「あともう一ついいですか?」 と私に手招きをしてきた。 私:「なんです?」 と私も運転席に近づくと警察官Bはサイドブレーキレバーの後ろにある小物入れを漁り、中から車載工具のカッターを取り出した。 警察官B:「ここにカッターが入っていたんですけど、これは?」 私:「ああ、この前オーディオを付け替えた時に配線を止めるテープを切るのに使って、そこに入れておいたんだけど。一緒にドライバーも入っているでしょ?」 小物入れの中には赤いグリップのプラスドライバーも入っていた。 警察官B:「このような場所にカッターとか凶器になるものを入れておくと、軽犯罪法違反になるんですが。」 私:「は!?」 警察官B:「車内の手の届くところに凶器になるようなものを置かれていると誰かを脅したり、傷付けたりする可能性があるので軽犯罪法に触れるんです。」 私はこの警察官Bが言っていることに怒りを覚えた。 私:「そのカッターは車載工具であって、別にそれで誰かを傷つけるつもりはないんですけどね?」 と怒りを堪えながら言うと 警察官B:「そうかもしれませんが、このカッターが手に届くところにあると万が一あなたが暴漢とかに襲われて、その時に身を守る為とはいえそれで相手を傷つけたら犯罪になるんです。」 私:「ん!?身を守る為にカッターを使って相手を傷つけたら犯罪!?」 警察官B:「はい。だから手の届くところに置いてあると軽犯罪法に引っかかるんです。」 私には理解しがたかった。 この警察官Bの言っている事はまるで ”暴漢に襲われても抵抗するな” といっているようだったし、なにより私がそのカッターで誰かを傷つけることを前提で話しているように聞こえた。 警察官B:「警察署まで任意同行願いますか?」 ”刑事ドラマみたいだな”と、私は一瞬思ったが、私は 「なぜ警察署に?」 と警察官Bに質問していた。 警察官B:「軽犯罪法違反なので、警察署にて調書を取ります。」 私は納得出来なかったので警察官Bではなく警察官Aに”そこまでする必要あるのか?”と聞こうと警察官Aの方を見ると、警察官Aは意外にも困った表情をしていた。 しかもその表情は私に対してではなく、どうやらこのメタボな警察官Bに対してのようだった。 ”この2人は相性が良くないのか!?”と私は思ってしまった。 私:「で、調書を取るために警察署にいってどうなる?」 と、私は警察官Bに仕方なく聞いた。 警察官B:「なぜ凶器となるものを所持していたのか等の調書を書く為の質問に答えて頂きます。 なにぶん最近アキハバラ周辺は治安も悪化していて・・・・・ 私の視界の中で警察官Aが溜息をつくのが見えた。 ”この2人は間違い無く相性が悪い。原因はこの警察官Bか・・・” この状況で少し気分的に余裕が出来た。 今思えばそれがいけなかった・・・・・ 私は警察官Bの言葉を遮り、 私:「ちょっと待て!別にアキハバラが治安が悪いとかそんなことは聞いてないんだ!」 私はワザと口調を強くし、警察官Bを見下す感じに言い返した。 私:「俺が知りたいのは警察署に行って調書を取るとどうなるかってことなんだ! あなたのまどろっこしい話はどうでもいいから簡単に答えてくれ。警察署にいって調書を取ると前科は付くのか!?」 警察官B:「前科はつきません!」 まるで上司にでも応えるかのようにハッキリとした口調の応え方だった。 警察官Aはオデコに手を当ててうつむいていたが、その口元は笑っていた。 私:「警察署で調書を取るだけ?」 私は笑いそうになるのを堪えながら聞いた。 警察官B:「はい、調書を取るだけです。」 私:「けど、任意同行なんだよね?任意ってことは断ってもいいの? 断ったらどうするの?」 警察官B:「そうなったらご理解頂けるまで説得します。」 私:「それじゃ強制連行と変わらないじゃん?」 警察官B:「いえ、それは違います。」 私:「けど断れば任意同行に従うまで説得するんでしょ?」 警察官B:「あ、まぁ、それは・・・・・」 この時私は考えてしまった。 「これもいい経験かな。」と・・・・・・ 私:「OK、分かったよ。任意同行に応じるよ。 悪かったね、意地悪な質問をして。」 私のこの言葉を聞いて警察官Bは安心したようだった。 警察官B:「では署に連絡しますので、ちょっと待っていてください!」 この時意外だったのは警察官Bが無線を使わずに携帯電話で警察署と連絡を取っていた。 私が警察官Bの様子を見ていると警察官Aが近寄ってきた。 警察官A:「お手数かけますね。」 警察官Aはすまなそうに頭をかきながら話しかけてきた。 私:「まぁ、知らなかったとはいえ違反なら仕方がないですよ。 ただ勘違いして欲しくないのは決して納得している訳ではないでから。」 警察官A:「ま、ねぇ・・・・」 警察官Aは警察官Bの方を見ながらまた困ったような表情をした。 そんな警察官Aの表情に気付く様子もなく警察官Bが近寄ってきた。 警察官B:「それでは本富士警察署に移動するので、付いて来てください。」 私:「えっ!?万世橋署じゃないの!?」 私は驚いて聞き返してしまった。 職務質問を受けている場所からは万世橋署が一番近かったし、アキハバラといえば万世橋警察のイメージが強かったからだ。 警察官B:「はい、一番近いのは万世橋署なのですが、今ケンカで当直が出払っているので次に近い本富士署に向かいます。」 当直全員が出動するなんて、どんなケンカだよ・・・・・ そんな訳で2008年5月4日21時30分頃、私は本富士署へと任意同行することとなった。
by thirty-satan
| 2008-05-23 02:15
| その時、私は・・・・
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